【同人誌印刷】カラー原稿とファイル形式の話
カラーの作り方には二種類ある
CLIPSTUDIOでネットに公開している場合はあまり気にしないでしょうが、同人誌印刷用にカラー原稿を作成する場合、CMYKという原色を考える必要があります。
普段ネット用に描いているものはRGBカラーというものです。
CMYKとRGBの違いは、色の3原色か光の3原色かの違いです。
色の3原色は紅、青、黄の3色ですが、この3色を全て混ぜると黒になるという性質があります。
オンデマンド印刷やカラーのオフセット印刷などの場合はこの3色に黒を混ぜて4色で印刷しています。
一方、ネットなどのカラーは光の3原色で色を作っています。
光の3原色は赤、緑、黄ですが、この光の3原色は全て混ぜると白になるという性質があります。
このように、紙に印刷するカラーとディスプレイで見るカラーは性質がそもそも違うので、RGBで作成したカラー原稿をCMYKのカラーで印刷すると、微妙に色が違うという事になります。
基本的にCMYKは再現出来る色の幅が小さいので、暗い感じに印刷されます。
あらかじめ設定を印刷原稿向けにする
この為に、あるいは印刷したときに意図したイメージと違って表現されているかもしれません。
その為に、設定でプレビュー表示があらかじめCMYKに表示されるようにして描きます。
設定は[表示]メニュー→[カラープロファイル]→[プレビューの設定]で行います。
ここでRGBとCMYKの種類がたくさん表示されますので、日本のCMYKの一般的な基準の
CMYK:Japan Color 2001 Coated
にします。
ここで、設定を変えたあとに元のRGBの種類がわからなくなるかと思いますが、
初期設定では
RGB:sRGB IEC 61966-2.1
を覚えておけば大丈夫です。
書き出しの設定―ファイル形式など
るるるのオンデマンド印刷ではCLIPSTUDIOで使用出来る書き出しファイル形式はpsd、pdf、tiff、です。
ネットで使うJPEGやPNGではないので注意です。PNGはそもそもインターネット用のファイル形式なので印刷原稿には使えません。
ファイル形式の基本についてここでまとめておきます。
ビットマップ形式(bmp)
出来たファイルそのものをただ単に保存したもので、圧縮などされていませんのでサイズが大きくなります。印刷には不向きです。
JPEG(jpg・jpeg)
PNG(png)
主に写真プリントやインターネットで使う事を目的とした形式です。
ネット上に表示する場合幅広く対応しますし、多くのアプリケーションで開くことが出来ますが、画像を軽量化するために人間の目ではわからない程度の省略や原色を行うものなので、一度この形式で圧縮したものは元画像より画質が劣るものになり元に戻せません。(不可逆圧縮といいます)
その後編集して印刷データなどに使うと劣化が目立つことがあるので注意が必要です。
GIF(gif)
GIFアニメなど、サイズの小さい動画などで使用します。
最大256色までしか扱うことが出来ません。アニメ塗りのイラストなどはこの形式でも綺麗に描く人がいますが、アンチエイリアスなどグラデーションがガタガタになるので基本的に印刷には不向きです。
Photoshop形式(psd)
アドビ社のPhotoshopで使用する形式です。レイヤー効果など特殊な表現が出来る形式ですが、開くアプリケーションによって透明効果などの処理が異なる場合があり、印刷用途では原則として画像を背景レイヤー1枚に統合して使います。
TIFF(tif・tiff)
汎用画像形式としてとても古くからある保存形式です。データの先頭に情報を書き込むことによって様々な元データをこの拡張子で保存することのできるものですが、汎用性が広すぎるため正しく開くことのできないデータなどもあり、利用するのに多少の知識が必要なものになります。
モノクロ二値の原稿データをうまく作ってこの形式で保存すると1200dpiでも驚くほど軽く保存することが可能です。
繰り返しですが、綺麗に出来上がっているファイルも印刷所に使用出来るソフトが無ければ印刷出来ませんので、使用出来るファイル形式を確認しましょう。
出来上がった原稿は書き出ししないと印刷に使えません。オンデマンド印刷は早く仕上げられるという利点がありますから、入稿するデータ形式はきちんとしておかないと印刷作業が滞ります。
るるるのオンデマンド印刷では書き出しの際、等倍で行います。
そしてカラーの設定はCMYKで書き出します。
PNGなどはそもそもダイアログにCMYKの選択肢がありません。
必要ならばICCプロファイルを埋め込み、原稿を書き出します。(カラープロファイルは印刷所が破棄する可能性があります)。