線の細さや文字サイズの話
理論より感覚で
ネットで公開するのではなく、印刷を目的にするとサイズの話が出てきます。
ネット上での作品ならばモニターに映り問題のない線などであっても、印刷に使用するとつぶれてしまい、印刷されないサイズの限度があります。
これは理論より、感覚で覚えた方がいいでしょう。
理論自体は細い線や細かすぎる点(ドット)などは印刷に出ないという説明で、皆さんだいたい納得されると思います。
問題は、どれぐらいのサイズだと印刷に出ないのか?その限界だと思います。
そこで、CLIPSTUDIOで出てくるサイズの話と、ネーム作業の効率的な進め方という事を考えてみます。
印刷のサイズ
印刷では聞き慣れないサイズの単位が出てきます。
普段CLIPSTUDIOを扱っていて使っている単位はpxでしょうが、他の単位を見てみましょう。
印刷で良く出てくる単位は主に活字のサイズで、ポイントptや級数Q、さらに歯Hというものもありました。
級数とか歯というのは日本の印刷独自の単位で、写真植字機で使われていたものす。
写真植字機というのは写真の原理で活字を打つ機械です。
使われていた単位活字サイズが級Qで、文字を打ってから送る時などは歯車の歯数で数えて歯Hという単位が使われていました。
「20級の活字でこの文字打ったら10歯送って」
のような使い方をされていましたが、歯HはCLIPSTUDIOでは使わない単位です。
CLIPSTUDIOで使う単位はpxとpt、Qです。
テキストの単位ポイントと級
写植の級数に慣れている人はそちらで使います。
CLIPSTUDIOでテキストに使用する際には、環境設定から[ファイル]→[環境設定]→[定規・単位]に進み、テキストの単位をptからQに変更します。
ptもQも、要するに単位の違いなので、普段算数で使う㎝とインチの違いと同じことです。
印刷にはよく使われる言葉で、
1ptは 0.353mm
です。
他のソフトではヘアラインの設定で0.3ptまでです、というように使いますが、CLIPSTUDIOで使うのはテキストの単位としてです。線のサイズにはpxかmmを使います。
pxの数字は調べた方はご存知でしょうが、解像度などとからむので、何mmとか一概に説明できません。
サイトで簡易計算機を掲載しているところがあるので、そのような計算機を使いましょう。
ptですが、活字のサイズとして基本的に
7pt
が最低限度欲しいと覚えましょう。
それよりも小さいポイントだと印刷されて見た場合見づらいと言われています。
マンガのセリフに使用する場合は最適なのは
14pt
と言われています。
目安として14ptと7ptの二つを覚えましょう。
テキストを先に打って下描きする
しかし、実際に原稿を作る際に14ptでセリフを打てるように下描きを考えるのは相当の熟練を必要とします。
なかなかフキダシの大きさがわかりません。
特にソフトの使用ではディスプレイで見ながらなので、実際のサイズと違うサイズを画面で見ています。
その為に、下描き、ネームの際はテキストを先に打って、それに合わせて絵の下描きをする方が良いでしょう。
活字を14ptとか21ptとか、メインでよく使う数字を覚えておいて、数字で考えてセリフやト書きを入力してしまい、その絵を見ながらバランスを考えて下描きした方がいいと思います。
CLIPSTUDIOマスターを目指して、印刷の単位にも慣れましょう。