CLIPSTUDIOで使える図学
パース定規を使う上での周辺知識
今回は少し数学の話をしますが、小学生の皆さんにもついてこられる範囲にします。
CLIPSTUDIOのパース定規は厳密な細かい数値設定は不得意ですが、定規を二つ三つ組み合わせて、図学を使う事で、とても便利に作画できます。
今回は「等分割」を使い、定規を組み合わせて使う事で、例えば任意に引いた線を等分割して、ビルなどを細かく描き込む方法を説明します。
任意の線を「等分割」
CLIPSTUDIOで定規でサッと引いた線を等分割できたら、パース定規を使って細かくビルが描けますね。
任意の線を等分割する図学と、CLIPSTUDIOの定規に任意の線を等分割する設定があります。
まずは図学を説明します。
適当でいいので、引いた線ABを等分割するには、角度が90°以下になるように線分Abを引きます。Abは長さは任意ですが、目盛りできっちり任意の等分をできる長さにします。
この二つの線分のBとbを直線でつなぎます。
そして、そのBbに平行に任意の等分割線を引きます。
この線が線分ABと交わった部分が等分割された点です。
この方法で線分ABを4等分でも8等分でもできます。
CLIPSTUDIOの定規で等分割する場合
CLIPSTUDIOの直線定規には、任意に引いた直線定規の線を自動で任意の数だけ等分した目盛りをつける機能があります。
[ツールバー]→[定規]→[直線定規]から[ツールプロパティ]で[目盛り]にチェックを入れ、右側のプルダウンで[等分割]を選択します。
[目盛り]の左側の+を押すと、下に分割数を設定する欄が現れるので、任意の数字にします。
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定規を組み合わせる
CLIPSTUDIOの定規は複数個設定できます。
また、パース定規はハンドルで角度を変えられます。
まず、描画に使うパース定規を任意で設定し、等分したい面を描きます。
そして等分する線に角度90°以下で等分割を設定した直線定規を重ねます。この際、[編集レイヤーに作成]にチェックが入っていると視認性が悪いのでチェックを外します。
使わない描画のパース定規は非表示にすると無効化できますので非表示にします。
描画されている線分と直線定規をつなぐ設定の為の1点透視の定規を作成し、アイラインの線を動かし、ハンドルで角度を変えて、図学通りにつながる位置にします。
直線定規は目盛りだけ見られればいいので、定規にスナップのボタンを切り、特殊定規にスナップだけボタンをオンにします。
任意の等分を平行で描き、等分する線の等分される位置が分かったら、設定用の1点透視の定規を非表示にして無効化して、もう一度描画用のパース定規を表示し、特殊定規にスナップのボタンを入れ直してパース定規を有効化し、等分割点から消失点に線を引き、等分割完了です。
さらに一本直線を引くと
ここで、等分割した面の対角線を直線でつなぐと、それぞれの交差した点から別の消失点に線を引けば、奥行きの等分割になります。
このように図学と直線定規の等分割を使用して、細かいビルも描けます。