日本は大昔からオタクがたくさんいた国
オタクはいつの時代にもいた?
オタク文化は1980年前後に花開いたものであり、昭和より前の時代はそんなものは無かったと思っていませんか?
実は日本の文学や芸術には、どう見てもオタクという内容のものがたくさんあるのです。
例えば、日本最古の落書きは、7世紀に創建された法隆寺にあります。
法隆寺といえば国宝で、世界最古の木造建築物と言われていますね。金堂、五重塔には無数の落書き(イラスト)が発見されています。
現在の漫画と同じ手法を用いている『鳥獣人物戯画』
『鳥獣人物戯画』、一般的には『鳥獣戯画』と呼ばれるこの作品は、京都市の高山寺に伝わる国宝の絵巻物です。平安時代末期から鎌倉時代初期あたりに書かれたものと言われています。
擬人化した動物が描かれていたり、効果線や吹き出しが使われていたりして、「日本最古の漫画」とも呼ばれています。内容も独創的で、絵巻物でありながら時間経過をきちんと感じさせるストーリー仕立てになっています。
『源氏物語』大好き少女のつぶやき
平安時代に書かれた女流作家による長編小説といえば紫式部の『源氏物語』。
その『源氏物語』という作品への愛を綴っているページが有るのが、少し後に菅原孝標女によって書かれた回想録(日記文学)『更級日記』です。
『源氏物語』を読みたすぎて悶々とする様子や、やっと本を手に入れた時のハイテンション、読んでハマッて浮かれまくる様子、物語世界に自分を重ねてときめく様子が書かれています。正に今でいう「尊い……♪」という感じですよ。
菅原孝標女が「女オタク」である、ということは、一時期ネットでも話題になりました。
もし彼女が現代に行きていたら、間違いなく同人誌を発行していたでしょう。ブログやTwitterを読んでみたい気もします。
喜多川歌麿が腐女子を題材にした浮世絵が存在する?
一時期、ネットで騒がれた喜多川歌麿の浮世絵をご存じでしょうか? 喜多川歌麿といえば江戸時代の有名な浮世絵師です。
『見るか徳栄華の一睡』という作品なのですが、若い女性が本を読みながら机でうたた寝している姿が描かれています。これだけなら普通なのですが、この女性の頭の上にはストーリー性のある雰囲気の絵が描かれており、どうやらこの内容の夢を見ているという演出のようです。
さて問題なのはその夢の内容なのですが……どう見ても男性同士の色事、つまりBL的展開を予想させるイメージです。
つまり、この絵に描かれた女性はボーイズラブの夢を見ている……ということで腐女子なのです。
こういった絵が描かれる背景には、やはり腐女子は普通に江戸の街に存在していたのかな? と思ってしまいますね。