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二次創作の同人誌っていつからあったの?

 

昔は評論、文芸創作が主流

「同人誌」というものは明治時代からありますが、既存の漫画・アニメを題材にしたものが作られるようになったのは1970年代後半ぐらいからです。
その前は漫画同人誌といっても創作系が主流で、既存の作品を扱ったものは、主に評論などの文芸誌が多かったようです。
もちろんそれ以前から二次創作を行っていたサークルもあったと思います。が、一般的ではありませんでしたね。

即売会が拡大傾向にあり、場所と時間を多く必要とするディスカッションやセミナーを主体としたコンベンション形式よりも、即売会だけを主体にしたイベントへと変遷していくうちに評論や研究といったコンベンションを軸としていた方面の活動が減っていったのではないでしょうか。

 

今は「同人誌」=「二次創作」?

同人誌といえば即座に二次創作をイメージする人も多いと思います。
確かに1980年代からわずか数年で、同人は二次創作がメインという状況になりました。
二次創作同人誌の人気が高まり、サークルが発行する同人誌の印刷部数も増えていったからです。
1986年から始まったバブル景気の影響もあり、当時は様々なジャンルの大手サークルが数百部、数千部という数字を叩き出していました。
1990年代には同人誌を取り扱う書店やショップが次々と開店し、サークルから委託という形で同人誌を店頭に並べるようになりました。
そうなると、最初から書店に委託する分も印刷することになり、ますます部数は増えていきます。
当時はまだオフセット印刷でしたから、印刷代もかなりかかっていたのではないでしょうか。
この時代があったからこそ、印刷業界も飛躍的に発展したと言っても過言ではないでしょう。

いくつかの流行ジャンルがイベント内での圧倒的多数を誇る寡占時代を経て、現在では数多くのジャンルが同時に隆盛期を迎え、比較的短いスパンで入れ替わっていきます。
これは、深夜にアニメが多数放送され3ヶ月ほどで入れ替わるようになったという世情を反映しているともいえるでしょう。
巨大ジャンルが長く覇権を誇ることが稀になり、突出した発行部数を誇る大手サークルも昔ほどはなくなったように感じますが、その分さまざまなジャンルの沢山のサークルが昔よりも入手容易なさまざまの方法で同人誌を頒布するようになり、それを見て新規に参入する人も増えています。
限られたサークルスペースの卓上では置くことの難しかった前ジャンルの本も電子書籍として在庫を保ち続けることが可能ですし、極少数の再販希望にもオンデマンド印刷で応えることが出来るようになりました。

時代に合わせて形を変えながら、今後も同人文化はますます栄えていくことでしょう。

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