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背表紙の話2

前回に引き続き背表紙の話をします。

 

3mm以下の背表紙だと紙の厚みと相殺されてほぼあるのかないのかわからない感じになりますが、3mmを越えてくると平らな面がはっきりしてくるので、ここに表紙や裏表紙とは独立した柄を入れたり背文字(背表紙に入るタイトルや作者名のこと)を入れたりするの、浪漫ですよね。

丸や四角のサークルロゴを作ってそれをいつも背表紙の決まったところに入れるデザインとか憧れます。

というわけで、背表紙原稿に的を絞った話の回。

 

表紙を巻く作業で少しのズレはどうしても発生します。

オンデマンド印刷は紙に熱をかけて刷っているので紙から水分が抜けてほんの少し縮んだりゆがんだりすることもあるので、完全に100%ぴったり位置で折れる、ということがそもそも少ないのです。

なので、背表紙の面いっぱいにみっちり字を書いたりすると、角の曲げ部分にかかってかっこ悪くなる可能性があります。3~5mm幅の背表紙であっても、端ギリギリにかからないように0.5~1mmは仕上がり線から離しておくのが安全です。

 

背表紙原稿は細長いぶん、塗り足し6mmが比率的に大きく、場合によっては原稿の本来の面積より塗り足しの方が大きい場合すらあるので、印刷されて塗り足しがなくなったときのバランスを考えながら書くのがなかなか難しいのです

 

仕上がり線でガイドラインを引くとか、仕上がりサイズでくり抜いた確認用レイヤーでたまに確認するとかしないと、背景に付けた柄が思ったように出なかったな……という失敗が起こりがちだったりします。

虹色グラデーションにしようとしたら両端に2色が消えて5色になってしまうとか……

このサンプルではそうでもないですが、仕上がりサイズを意識していないと背文字を大きくしすぎて背表紙幅ギリギリだということもあるかもしれないので、ここんところは特に気を付けてデザインするといいんじゃないかなとおもいます。

 

 

表紙背表紙裏表紙と続くような柄があるときにはこうやって別々にデータを作るよりも、三枚合わせて横長の原稿にしていただく方が、柄のズレが発生しなくて安全です。