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頒布の意味とは?同人業界が販売ではなく頒布を使う3つの説

同人誌即売会で耳にする「頒布」という言葉。
「頒布」とはどのような意味なのか、なぜ「販売」ではなく「頒布」という言葉が使われるのか、気になる人も多いかと思います。

当記事では、同人誌即売会における「頒布」についてまとめていきます。

 

頒布の意味とは?

そもそもの「頒布(はんぷ)」の意味は、「広く配る」という意味を持つ言葉です。
有料・無料問わず使える言葉で、「〇〇を頒布する」のように使います。

 

似た言葉に「配布」と「配付」がありますが、それぞれ異なる意味を持っています。「配布」は「無料で配って広める」という意味を持ち、「配付」は「特定の人に渡す」という意味を持っています。

 

なぜ同人業界では「頒布」を使う?3つの説

同人誌即売会においては、同人誌を「販売する」とは言わずに、「頒布する」ということが多いです。
これは決まりではなく慣習のようなものですが、やはり「頒布」という言葉のほうが好まれています。

同人業界で「頒布」を使うようになった理由は明確ではありませんが、いくつかの説があります。
ここでは、3つの説を紹介していきます。

 

1 利益を出すことがグレーゾーンだから

同人誌の中には、二次創作の本が多くあります。
二次創作は、基本的に「営利活動」ではなく「ファン活動」です。
そのため、売って利益を出すという意味を持つ「販売」ではなく、「頒布」という言葉が使われているという説があります。

 

2 即売会では無料の本も扱っているから

コミケの運営も、「販売」ではなく「頒布」という言葉を使っています。
この理由は、即売会で扱っている同人誌がすべて有料の本とは限らないからだそうです。

即売会では「無配」や「ペーパー」など、無料で配るものを用意しているサークルがあります。
これらのものは「販売する」とは言いませんよね。

有料の本と無料の本をひとまとめに表現するために、有料無料問わずに使える「頒布」という言葉を使っているそうです。

 

3 即売会に「販売者」と「客」の概念がないため

即売会には、「販売者」と「客」という概念がありません。
サークル参加も一般参加も問わず、来場者全員が等しく「参加者」という扱いになります。

「販売」という言葉は、客にものを売るときに使う言葉です。
そのため、即売会の理念には「頒布」のほうがふさわしいと考えられているという説があります。

 


何気なく使っている「頒布」という言葉。
そのルーツをたどってみると、興味深い説がいくつかあります。

頒布という言葉は、同人文化を顕著に表した言葉といってもよいでしょう。
頒布という言葉を使わなければいけないというルールはありませんが、同人業界においては販売よりも頒布のほうがしっくりとくるかもしれませんね。

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